やっぱり柴田の真骨頂は、テンポのよいミステリってかんじなのか?
ミステリーとしてのつくりは、
上下巻をまぁまぁ一気読みしたのでなかなかなのかもだけど、
、、、というか、
謎が深まっていく中盤〜下巻の半分までは、
新しい発見や、徐々に高まっていく感はありつつも、
引っ張るだけ引っ張って最後にそれ〜、
あー、まぁ、そんなにがっかり度が高いわけではなけど、
読みながら「ここまで広げてどう回収するんだろう?!」
と、思ってた謎たちが結局そこなのか!感はあったなぁ。
15歳の時に修学旅行中に失踪してしまった同級生の事を、
20年後の35歳であるきっかけを元に思い出す、、、
っていうストーリーなのだけれど、
修学旅行の自由行動中のバスから失踪しちゃったもんだから、
その自由行動の同じ班だったその他同級生6人の物語って事で、
登場人物多いっすッ。
たぶん作者としては、
その変化の多い20年間に人は変わるし、
(何せ15歳→35歳だからね)
でも根本は変わらないし、
大人になった部分もそのままの部分もあって、
奇麗事だけじゃないし、みんなそれぞれ岐路にあるし、
ってなそんなことが書きたかったのかもしれないだろうけど、
20年間も失踪した少女のことを思い続けてる男子も変だし、
というか、いきなり最終話近くで突如居所判明して帰国するし、
登場人物の個々の人生と、人生観の変化と、
本筋の事件と登場人物の一人の設定が刑事なものだから、
そっちがかかわってくる事件も描かれていて、
ついでに過去のしがらみやらなにやら、、、、
個人的な好みの問題なのだろうけど、
もっと絞って、きちんと深く書いている柴田の作品の方が好きだなぁ。
あと、秘密の開示とか事件の顛末に偶然多すぎ。
漫画の「夢落ち」ばりな、、、
と、そんな感想。